まず、どの様な柄、生地、配色、金彩の加工方法・刺繍の配色など、どのような打掛を作成するか、企画・検討を致します。
柄のイメージが固まったら、図案を作成し、イメージを具現化していきます。まず、ミニチュア図案を作成しその上で、本番図案を作成していきます。
一度で決定する事はなく、打ち合わせを5~6回繰り返し微調整をし、図案を完成させます。
図案が出来上がったら、図案を元に金彩加工や刺繍をする為の型を彫ります。
一色につき一型を作成する為打掛の柄を作成するには少ないものでも2ヶ月様々な色や柄が入るものでは、3ヶ月以上も懸かる作業です。
型彫りと同時進行で生地の選定、作成を行ないます。企画の段階でイメージに合う生地が無ければ、新たに作成します。
生地を、伸子(しんし)を打って長く張ります。まず染料を生地に均一に浸透しやすくするとともに、染料が伏せ糊の内側に、にじみ出るのを防ぐために色の濃淡に応じて豆汁かふのり液を全体に引く地入れの作業を行ないます。
その後刷毛で地色を一気に引き染します。染める面積が広くムラも生じやすい為、均一に手早く染める熟練した技量が不可欠です。淡い色で二度引き以上、濃い色はそれ以上の引き染めをします。
また打掛は、無地染め・2~3色ボカシなど様々な引染がある為熟練した職人さんのみ打掛の引染を行います。
地染めの後、染料液の乾いた生地を蒸しにまわします。
地染の段階では染料は生地に置かれている状態ですが、蒸す工程を経ることで生地に定着し、発色も完全なものとなります。
蒸しと反物を水で洗う水元の工程は関連性が深いので、ひとつの作業場が両方の設備を整えています。
糊とともに、定着せず余った染料を水で洗い流す作業を水元といいます。
この作業をしっかり行なわないと、色ムラなどの原因になる為とても慎重に行ないます。
この工程で柄が初めて生地の上に乗ります。ここで又金彩の色合いどのような材料を使用するかなど、何度も打ち合わせや見本作りを繰り返し本番に臨みます。
金彩柄とともに刺繍の案内糸目なども同時に加工していきます。金彩加工は、引染とともに非常に重要な肯定の一つです。熟練した職人さんが型紙を置いて顔料糊やふきつけ加工など様々な金彩を作り上げ仕上げていきます。
職人さんの個性やセンス柄イメージの具現化などが非常に問われる工程となります。
最終工程の刺繍加工に入ります。ここでも色合い・縫い方など何度も打ち合わせをし染・金彩・刺繍すべてが一つの作品になる様進めていきます。
刺繍は、「横振りミシン」という特殊なミシンを使用し、様々な柄を縫い上げていきます。
すべての工程が終了したら、染のムラや難金彩の難や型くずれ刺繍の糸とびや色ずれがないか、くまなく検品します。