「お一人おひとりの美しさを追求していくことで、その方が一番輝いている状態を引き出すこと」それが、資生堂ビューティーサルーンが目指す美しさ。それはヘア・メークや着付けといった“外見の美”を技術で作り出しながら、それにプラスして花嫁さんが持っている内面の美しさ、喜びのオーラなどを、表にあふれ出させることで、最上の輝き、最高の美しさへと高めていくこと。美のピークを作り出すお手伝いをするのが、お二人のお仕事です。
「挙式または婚礼当日の花嫁さんの中には、かなり緊張されている方もいらっしゃいます。そこでまず、メークをする際のスキンケアの段階で、手のひらで優しくマッサージすることからはじめます」そう語るのは高野さん。
「肌と肌が触れ合うことで、安心感が生まれ、花嫁さんがリラックスされていくのが目に見えてわかります。その中で、いろいろなお話をしていきながら、花嫁さんが求めていらっしゃる理想の花嫁像やそのイメージをメークで表現していきます。ここでもっとも大切なのはコミュニケーション。なかなかうまくイメージを言葉にできない方でも、ライフスタイルやお好みなどをうかがうことで具現化しやすくなり、チャームポイントを生かしながら、一番ふさわしい雰囲気をメークで表現できるのです」
着物というと、どうしても“苦しい”というイメージが先に立ってしまう方も多いかもしれません。しかし、資生堂ビューティーサルーンの和装は、その方の体形を一番きれいに見せ、しかも楽に着ていただくことを最重視しています。
「未婚の女性の初々しさ、嫁ぐことへの喜びなど、花嫁さんが持たれているさまざまな心理的要素までを表現できたとき、ドレスにも負けない品格のある“美”が完成するのです」と上野さんは語ります。
「まずヘア・メーク、そして着付けという順番で準備をしていきますが、すべてが仕上がったときの花嫁さんの、凛として輝きを放つ美しい姿を見るたびに、毎回感動いたします。そして、そのような一生に一度の晴れの舞台のお手伝いをさせていただけていることへの喜びをひしひしと感じます」
“一生に一度”であるがゆえ、そのプレッシャーもひとしお。婚礼の前日は緊張して眠れないことも多いのだとか。
「1時間半から2時間という時間の中でヘア・メーク、着付けまでのお支度をさせていただきます。しかしその時間をフルに使えることはあまりありません。朝食を食べてこられていない方が軽食をその間にとられることもあれば、お母様がのぞきにいらしたり…という時間もございますが、私たちはその中でもっとも美しくパーフェクトな状態を作り出すことを目指します。また、私たちはすべての状況を把握していなければなりません。細かな部分にいたるまで注意を払い、すべての工程を熟知している必要があります。すべての準備が完了し、花嫁さんが本当に嬉しそうな微笑を浮かべられたとき、いっさいの苦労は消えてしまいます」お二人の仕事への熱意と真摯な姿勢が、この言葉に凝縮されています。
「お式の40日前くらいに初回のお打合せがございます。ご自身がどのような花嫁さんになりたいのかということをイメージされていると、とても打合せがスムーズにいきます。初回のお打合せの際に、どのようなスタイルがお好きなのか、といったことがイメージできていらっしゃると、私たちもそれをもとにどのようなヘア・メークがいいのか、髪飾りはどうするかなど、具体的にご提示しやすくなります。たとえば雑誌などをご覧いただいて、気に入ったイメージの写真をお持ちいただいたりすることで、打合せも弾んでいきます。まずはご自分のなりたい花嫁のイメージを持たれるとよろしいかと思います」
「私たちは花嫁さんを輝かせてさしあげたい。その一心で毎回のお支度に臨ませていただいています。花嫁さんの笑顔が私たちの喜びなのです。そしてそのために、資生堂ビューティーサルーンの作り出す“美”のクオリティレベルをつねに維持し、高めていくことが重要です」と語るのは上野さん。
「日々の業務のほかにも、社内外のコンテストや研修などに参加し、技術を磨くことも忘れてはなりません。花嫁さんというのは本当に、言葉では言い表せないくらいお美しいのです。輝きのオーラというのでしょうか。何ものにも勝るお美しさと輝きがそこに表れていらっしゃる。それを引き出せたときが、私たちのもっとも光栄な喜びの瞬間なのです」